電子帳簿保存法 罰則

電子帳簿保存法違反時の罰則を解説!改正内容・3つの保存要件・対策方法は?

国税書類や決算書類の電子保存をする際に押さえておきたいのが『電子帳簿保存法』です。年々要件は緩和されていますが、しっかり要件を確認したうえで書類を保存しておかなければ、罰則が科せられてしまうことがあります。

もちろん、1回のミスでいきなり罰せられるということは原則ありません。しかし、そのようなリスクが伴ってしまう可能性は十分にあるため、必ず要件を確認した上で電子保存をすることが重要です。

この記事では、改正された電子帳簿保存法の概要や罰則について解説いたします。また、罰則回避のための対策方法なども紹介しますので、電子帳簿保存法に対して漠然とした不安を抱いている方はご参考ください。

電子帳簿保存法を違反すると罰則がある

電子帳簿保存法は法律の1つですので、その要件に違反すると罰則が科せられるおそれがあります。科せられる罰則の例は以下の通りです。

  • 青色申告の承認が取り消されるかもしれない
  • 推計課税を課されるかもしれない
  • 追徴課税を課せられるかもしれない
  • 会社法により過料を科せられるかもしれない

青色申告の承認が取り消されるかもしれない

1つ目の罰則例が、青色申告の承認取り消しの可能性です。青色申告とは、不動産所得・事業所得・山林所得のいずれかの所得がある人のみ行える、税金面で有利な確定申告方法のこと。具体例としまして、フリーランスの方の所得は事業所得に該当します。

詳しくは後述しますが電子帳簿保存法の保存区分の1つである『電子帳簿等保存(電子的に作成した帳簿・書類を、そのまま電子保存する際に適用される制度のこと)』では、対象の文書が優良書類に認定されることで、青色申告特別控除を受けられるルールがあります。

しかし電子帳簿保存法に違反することで、この優遇措置が取り消されてしまうおそれがあるのです。それに付け加えて、青色申告の承認が取り消されることで控除だけでなく以下も受けられなくなるおそれがあります。

青色事業専従者給与
貸倒引当金
純損失の繰越しと繰戻し

引用元:国税庁|No.2070 青色申告制度(2023年8月11日時点)

電子帳簿保存法が適用されてからは、規約に違反せず電子データを保存することが重要になります。青色申告を申請している場合は、特にご注意ください。

推計課税を課されるかもしれない

青色申告の承認取り消しに合わせて課せられる可能性があるのが、『推計課税』です。推計課税とは、支払う所得税を税務署の判断で決める方法のことです。国税庁では、推計課税について以下のように記載されています。

所得税及び法人税における推計課税とは、税務署長が更正又は決定をするに当たって、直接資料によらず、各種の間接的な資料に基づいて推計により所得金額を認定する方法をいう。

引用元:国税庁|推計課税訴訟における民訴法第312条の文書提出義務について(2023年8月11日時点)

青色申告が取り消され、国税関係帳簿書類の不備や不正の疑惑が出てしまうと推計課税が行われる可能性があります。国税庁では、推計課税が行われる基準について以下の記載があります。

本来所得税及び法人税は、納税義務者の申告により実額に基づき課税標準及び税額等が確定するものであるが、納税者の帳簿書類の不存在又は記帳の不備、税務調査に対する非協力等によって実額が把握し得ない場合、課税庁は所得金額を推計し、更正又は決定せざるを得ないこととなる。この場合、課税を放棄することは、租税の公平負担の観点から許されない。ゆえに、ここに推計課税の認められる根拠があると解されている。

引用元:国税庁|推計課税訴訟における民訴法第312条の文書提出義務について(2023年8月11日時点)

推計課税を課されることの問題点は、実際に支払うべき所得税を大幅に越えて請求される可能性があるという点です。実際の計算方法については、国税庁で以下のように記載されています。

推計の方法については、両法とも「財産若しくは債務の増減の状況、収入若しくは支出の状況又は生産量、販売量その他の取扱量、従業員数その他事業の規模に」より各種所得の金額等を推計することができる

引用元:国税庁|推計課税訴訟における民訴法第312条の文書提出義務について(2023年8月11日時点)

簡単に言うならば、日頃の支払いや給料、ガスや電気などの支払い料金、同業者の所得税、会社の従業員数などから推測して行うということです。実際に推計される際はさらに多くの情報から所得税が算出されます。予想外の金額を請求されることを防ぐためにも、電子帳簿保存法は守りましょう。

追徴課税を課せられるかもしれない

悪質なデータの改ざんや偽造が行われていた場合は、追徴課税が課されるケースもあります。故意ではないとしても、電子帳簿保存法の違反が見つかってしまうと、データの改ざんや偽造などその他の違反も疑われる可能性が高いです。

国税庁では追徴課税を課す基準として以下のような記載があります。

1 通則法第68条第1項又は第2項に規定する「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し」とは、例えば、次に掲げるような事実(以下「不正事実」という。)がある場合をいう。

(1) いわゆる二重帳簿を作成していること。

(2) 次に掲げる事実(以下「帳簿書類の隠匿、虚偽記載等」という。)があること。

1 帳簿、原始記録、証ひょう書類、貸借対照表、損益計算書、勘定科目内訳明細書、棚卸表その他決算に関係のある書類(以下「帳簿書類」という。)を、破棄又は隠匿していること。

2 帳簿書類の改ざん(偽造及び変造を含む。以下同じ。)、帳簿書類への虚偽記載、相手方との通謀による虚偽の証ひょう書類の作成、帳簿書類の意図的な集計違算その他の方法により仮装の経理を行っていること。

3 帳簿書類の作成又は帳簿書類への記録をせず、売上げその他の収入(営業外の収入を含む。)の脱ろう又は棚卸資産の除外をしていること。

(3) 特定の損金算入又は税額控除の要件とされる証明書その他の書類を改ざんし、又は虚偽の申請に基づき当該書類の交付を受けていること。

(4) 簿外資産(確定した決算の基礎となった帳簿の資産勘定に計上されていない資産をいう。)に係る利息収入、賃貸料収入等の果実を計上していないこと。

(5) 簿外資金(確定した決算の基礎となった帳簿に計上していない収入金又は当該帳簿に費用を過大若しくは架空に計上することにより当該帳簿から除外した資金をいう。)をもって役員賞与その他の費用を支出していること。

(6) 同族会社であるにもかかわらず、その判定の基礎となる株主等の所有株式等を架空の者又は単なる名義人に分割する等により非同族会社としていること。

引用元:国税庁|法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)(2023年8月11日時点)

そもそも追徴課税とは、支払うべき所得税もしくは法人税が実際より少ない場合に、その差額分に加えて徴収される加算税のことです。

さらに、加算税には『過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税』の4つがあり、それぞれ以下の課税割合で徴収されます。

名称 課税要件 課税割合

(増差本税に対する)

過少申告加算税 期限内申告について、修正申告・更正があった場合

 

10%

15%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分)

無申告加算税 ①期限後申告・決定があった場合

②期限後申告・決定について、修正申告・更正があった場合

15%

20%(50万円超300万円以下の部分)

30%(300万円超の部分)

不納付加算税 源泉徴収等による国税について、法定納 期限後に納付・納税の告知があった場合 10%
重加算税 仮装隠蔽があった場合

 

35%(過少申告加算税・不納付加算税に代えて)

40%(無申告加算税に代えて)

引用元:財務省|加算税の概要(2023年8月11日時点)

仮に隠ぺいや偽造などがあった場合は35%以上の加算税が徴収されるため、規模によっては大きな金額になる可能性があります。故意的なミスでなくとも10%の加算税はかかってしまうため、注意が必要でしょう。

会社法により過料を科せられるかもしれない

会社法には、帳簿・書類の保存方法や保存の有無に関しての法律があります。たとえば、会計帳簿の作成および保存については、会社法で以下のような定めがあります。

第四百三十二条
株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。

引用元:e-GOV法令検索|会社法(2023年8月11日時点)

電子帳簿保存法に違反するということは、この会社法に違反することにもなるため、以下のように会社法における過料が科される可能性があります。

次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

引用元:e-GOV法令検索|会社法(2023年8月11日時点)

上記の観点から、電子帳簿保存法に違反した場合は会社法の罰則として100万円以下の過料が科される可能性があります。注意が必要でしょう。

2022年に改正された電子帳簿保存法とは?

ここでは電子帳簿保存法のこと、直近の改正内容を解説します。

  • そもそも電子帳簿保存法とは?
  • 電子帳簿保存法は2022年に改正
  • 令和5年税制改正に伴い再度改正されました

そもそも電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、経理の電子化による生産性の向上や記帳水準の向上のために作られた法律です。国税庁のサイトでは、以下のように定義されています。

各税法で原則紙での保存が義務づけられている帳簿書類について一定の要件を満たした上で電磁的記録(電子データ)による保存を可能とすること及び電子的に授受した取引情報の保存義務等を定めた法律です

引用元:国税庁|電子帳簿保存法が改正されました|1ページ目(2023年8月11日時点)

電子帳簿保存法が最初に施行されたのは1998年です。当時は、紙としての保存を義務付けられていた国税書類などを電子データとしても保存できるように考案されました。実際国税庁では、電子帳簿保存法の導入について以下のように記載されています。

「新しい時代の流れに対応し、納税者の帳簿書類の保存の負担軽減を図るために、記録段階からコンピュータ処理によっている帳簿書類については、電子データ等により保存することを認めることが必要であると考えます。

引用元:国税庁|制度創設等の背景(2023年8月11日時点)

最初は紙プラス電子データでの保存を推奨するものでしたが、現在はデジタル化が進んだことから、電子データの保存が推奨されるようになっています。なお、電子帳簿保存方法は、2023年8月時点までに大きな改正が何度も行われています。

改正年 電子帳簿保存法の改正内容
2005年 スキャナ保存制度を導入

(電子署名が必須でなおかつ3万円以下の国税書類のみが対応)

2015年 スキャナ保存における電子署名・3万円以下のルールを撤廃し適正な履行を確保するため「適正事務所利用権」を導入
2016年 スキャナ保存区分におけるスキャナ方法の条件を撤廃
2019年 重要な国税関係書類は承認期限外でもスキャナ保存できるように変更
2020年 キャッシュレスで決済をした場合の領収書が不要に
2022年 タイムスタンプ要件の緩和・事前承認制度の撤廃など
2023年 検索機能が不要となる対象者の拡大・条件付きながら電子取引データの紙保存が認められたなど

このようにさまざまな変更が行われている電子帳簿保存法ですが、対象となる書類は以下のように記載されています。

国税関係帳簿書類 国税関係帳簿(国税に関する法律の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第十六条第十一項(保税工場等において保税作業をする場合等の内国消費税の特例)に規定する帳簿を除く。)をいう。以下同じ。)又は国税関係書類(国税に関する法律の規定により保存をしなければならないこととされている書類をいう。以下同じ。)をいう。

引用元:e-Govポータル|電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(2023年8月11日時点)

より具体的に記載すると、以下の書類が該当します。

  • 国税関係の帳簿:仕訳帳・売掛帳・現金出納長・仕訳帳など
  • 国税関係の書類:賃借対照表・試算表・損益計算書など
  • 取引関係の書類:請求書・見積書・納品書・注文書など

上記の書類を電子データとして保存する場合は、電子帳簿保存法に則って保存する必要があります。さらに電子帳簿保存法では、各書類の保存区分というものが3種類に分けられています。

①電子帳簿等保存 (電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存)
②スキャナ保存 (紙で受領・作成した書類を画像データで保存)
③電子取引データ保存 (電子的に授受した取引情報をデータで保存)

引用元:国税庁|電子帳簿保存法が改正されました|1ページ目(2023年8月11日時点)

各保存区分の要件は異なりますので、注意が必要です。各要件の詳細は後述します。

まとめますと電子帳簿保存法については、以前まで紙での保存が必須とされていた国税書類や取引書類などを、電子データとして保存するための法律と考えておくと間違いないでしょう。

なお、電子帳簿保存法を遵守した電子保存を行いたいのであれば、弊社のDenHoをお使いください。DenHo1つで、電子帳簿保存法に対応できるようになります。ぜひご利用ください。

電子帳簿保存法は2022年に改正

電子帳簿保存法は2022年に、各3つの区分において大きな改正が行われています。

電子帳簿保存法保存区分 2022年改正の内容
電子帳簿等保存 1.税務署長の事前承認制度が廃止

2.優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置を整備

3.最低限の要件を満たす電子帳簿についても、電磁的記録による保存が可能

スキャナ保存 1.税務署長の事前承認制度が廃止

2.適正事務処理要件が廃止

3.タイムスタンプの要件が緩和

4.検索要件が緩和

5.不正があった場合の重加算税の加重措置を整備

電子取引データ保存 1.タイムスタンプの要件が緩和

2.検索要件が緩和

3.電子データでの保存が義務化

4.申告漏れ等に課される重加算税が10%加重される措置を整備

引用元:国税庁|電子帳簿保存法が改正されました(2023年8月12日時点)

電子帳簿等保存における1つ目の変更点『税務署長の事前承認制度の廃止』に関しては、電子帳簿等保存区分だけでなくスキャナ保存区分でも改正されています。以前まで、紙の帳簿書類などを電子化するには事前の申請と承認が必要だったのですが、その手間がなくなったという改正です。

2つ目の変更点は、優秀な電子帳簿の要件を満たしている法人・個人が、故意ではない過少申告をした際に課される過少申告加算税が10%から5%に免税されるという内容です。あくまでミスをした場合ですので、ミスしない限りは特に関わりのない改正点でしょう。

3つ目の変更点は、以下の3点を満たす電子帳簿を電子データ保存できるようになるという改正です。

システム関係書類等(システム概要書や操作説明書等)の備付けがある
保存場所に、ディスプレイやプリンタ等(見読可能装置)を備付け、記録事項を画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できる
税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができる

引用元:国税庁|優良な電子帳簿の要件(2023年8月11日時点)

ただし、簿記の原則に従って記録されるものに限られるため、その点は注意しましょう。

続いてスキャナ保存区分における改正点のポイントは、タイムスタンプ要件の緩和になります。タイムスタンプの要件緩和を簡単にまとめると以下の通りです。

  • 付与期間が3営業日以内から最長2か月と概ね7営業日以内に延長
  • 電子データの訂正・削除を確認できるもしくは訂正・削除できないクラウド上で、2か月と概ね7営業日以内に保存の確認ができる場合はタイムスタンプが不要に

付与期間が延長されただけでなく、特定の状況によってはタイムスタンプ自体が不要になるという仕組みに改正されました。

ただし、上記の通り要件が緩和された代わりに、要件を違反した場合の重加算税が10%に加重されています。そのため、スキャナ保存区分においては、より一層要件を守ることが重要になるでしょう。

最後に、電子取引データ保存区分における1つ目のポイントは、タイムスタンプ要件および検索要件に関する改正点は、スキャナ保存の付与期間・検索要件と同様である点です。付与期間が2か月と概ね7営業日以内に延長され、特定の記録項目での検索条件を満たせば良いという改正になります。

ただし、違反した際の重加算税が10%加重されます。またこの時点では、電子取引した取引情報を紙に出力して保存することで代用できるという方式も廃止されました。

令和5年税制改正に伴い再度改正されました

2022年に大きな改正がありましたが令和5年(2023年)の税制改正により、電子帳簿等保存制度の見直しが再度行われました。

電子帳簿保存法保存区分 令和5年度税制改正大綱の内容
電子帳簿等保存 1.「優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置」となる書類の見直し。
スキャナ保存 1.解像度・階調・大きさに関する情報の保存が不要。

2.入力者等情報の確認要件が不要。

3.帳簿との相互関連性の確保が必要な書類が重要書類に限定。

電子取引データ保存 1.検索機能が不要とされる対象者の範囲が、準期間(2課税年度前)の売上高が「1,000 万円以下」の保存義務者から「5,000 万円以下」の保存義務者に拡大。

2.対象者に「電子取引データをプリントアウトした書面を、取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理された状態で提示・提出することができるようにしている保存義務者」が追加。

3.入力者等情報の確認要件が不要。

4.令和4年度税制改正で措置された「宥恕措置」は、適用期限(令和5年 12 月 31 日)をもって廃止。

5.改ざん防⽌や検索機能など保存時に満たすべき要件に沿った対応は不要となり、電子取引データを単に保存しておくことができる。

引用元:国税庁|電子帳簿保存法の内容が改正されました〜令和5年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しの概要〜(2023年8月12日時点)

青色申告関係帳簿の対象が、令和6年1月1日以降は特定の帳簿のみになります。以前までは対象だったが改正後は対象ではなくなったという帳簿もあるため、事前に確認しておきましょう。

スキャナ保存区分の改正に関しては細かな内容が多いですが、中でも注意したいのがスキャン文書と帳簿の相互関連性の確保についてです。以前までスキャナ保存するすべての書類で相互関連性の確保が必要でしたが、今回の改正を通して、重要書類のみ確保が必要という内容に切り替わっています。

もちろんすべての書類の相互関連性を確保していてもデメリットはありませんが、必要がなくなったという点は把握しておくと良いでしょう。

最後に電子取引データ保存の区分における改正点についてです。電子取引データ保存区分において注意したいポイントの1つ目は、検索要件が不要になる売上高の条件です。以前まで1,000万円以下という条件でしたが、今回の改正以降は5,000万円以下に繰り下げられています。より多くの方が対象に含まれますので、確認しておきましょう。

また、電磁的記録の書面を日付および取引先を整理しておくことでも、検索要件のすべてが不要になります。所轄の税務署長が認めた場合のみ電子データを保存する際の確認要件も廃止されますので、より電子保存しやすい環境になると言えるでしょう。

要対応!電子帳簿保存法の保存区分は3つ

ここからは、電子帳簿保存法における3つの保存区分の要件について解説します。

  • 電子帳簿等保存の要件
  • スキャナ保存の要件
  • 電子取引データ保存の要件

電子帳簿等保存の要件

電子帳簿等保存区分の要件は2022年の改正により、『最低限満たすべき要件』と『優良な電子帳簿と認定されるために満たすべき要件』の2つが生まれました。それぞれの要件をまとめると以下の通りです。

要件 優良帳簿 優良以外の帳簿 書類
電子計算機処理システムの概要書等の備付け
見読可能装置の備付け等
ダウンロードの求めに応じること △※2 〇※3 △※4
COMの作成過程等に関する書類の備付け
COMの見読可能装置の備付け等
電磁的記録の訂正・削除・追加の事実及び内容を確認することができる電子計算機処理システムの使用
帳簿間での記録事項の相互関連性の確保
検索機能の確保 △※2
索引簿の備付け
COMへのインデックスの出力
当初3年間における電磁的記録の並行保存又はCOMの記録事項の検索機能の確保

引用元:国税庁|電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】令和5年6月|8ページ目(2023年8月16日時点)

上表に記載されている注釈(※)の詳細は以下の通り。

※2 「ダウンロードの求め」に応じる場合には、検索機能のうち、範囲を指定して条件を設定できる機能及び二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できる機能は不要となる。
※3 優良帳簿の要件を全て満たしている場合には「ダウンロードの求めに応じること」の要件は不要となる。
※4 検索機能の確保に相当する要件を満たしている場合には「ダウンロードの求めに応じること」の要件は不要となる。

引用元:国税庁|電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】令和5年6月|8ページ目(2023年8月16日時点)

基本的には〇と記されている項目の条件を満たすことで、電子データ保存は認められます。加えて、記載されたすべての要件を満たすことで、優良な電子帳簿と判断されます。優良な電子帳簿と判断されると過少申告加算税が5%免税されるため、可能であればすべて満たすのが良いでしょう。

なお、電子帳簿等保存区分に該当する書類は以下の通りです。

  • 国税関係帳簿:仕訳帳・総勘定元帳など
  • 決算関係書類:損益計算書・賃借対照表など
  • 取引関係書類:領収書・見積書など

これらの帳簿や書類の保存は電子帳簿等保存区分に該当するため、しっかり要件を満たした上で電子データ保存するようにしましょう。

スキャナ保存の要件

スキャナ保存に関する要件についても令和5年の税制改正時に大きく変更されています。詳しくは以下の通りです。

要件 重要書類 一般書類 過去分重要書類
入力期間の制限(書類の受領等後又は業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに入力)
一定水準以上の解像度(200dpi 以上)による読み取り
カラー画像による読み取り(赤・緑・青それぞれ 256階調(約 1677 万色)以上) ※1
タイムスタンプの付与 〇※2 〇※3 〇※3
ヴァージョン管理(訂正又は削除の事実及び内容の確認等)
スキャン文書と帳簿との相互関連性の保持
見読可能装置(14 インチ以上のカラーディスプレイ、4ポイント文字の認識等)の備付け ※1
整然・明瞭出力
電子計算機処理システムの開発関係書類等の備付け
検索機能の確保
その他 ※4:※5

引用元:国税庁|電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】令和5年6月|8ページ目(2023年8月16日時点)

上表の注釈詳細は以下の通り。

※1 一般書類の場合、カラー画像ではなくグレースケールでの保存可。
※2 入力事項を規則第2条第6項第1号イ又はロに掲げる方法により当該国税関係書類に係る記録事項を入力したことを確認することができる場合には、その確認をもってタイムスタンプの付与に代えることができる。
※3 当該国税関係書類に係る記録事項を入力したことを確認することができる場合には、タイムスタンプの付与に代えることができる。
※4 過去分重要書類については当該電磁的記録の保存に併せて、当該電磁的記録の作成及び保存に関する事務の手続を明らかにした書類(当該事務の責任者が定められているものに限られます。)の備付けが必要。
※5 過去分重要書類については所轄税務署長等宛に適用届出書の提出が必要。
引用元:国税庁|電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】令和5年6月|8ページ目(2023年8月16日時点)

スキャナ保存の特徴としましては、書類の種類によって要件が変わることです。対応必須になる項目が変化することはもちろんですが、同じ項目でも詳細が変化します。

例えばカラー保存における一般書類がその代表例。重要書類ですとカラー保存が必須ですが、一般書類ですとグレースケール(白黒画像)での保存が認められます。そのため、「どの文書が重要書類で、一般書類なのか?」を把握しておくことは非常に重要となります。

そこで重要書類と一般書類の種類を一覧化しました。

書類の名称・内容 書類の性格 書類の重要度(注)
・契約書

・領収書

及び恒久的施設との間の内部取引に関して外国法人等が作成する書類のうちこれらに相当するもの

並びにこれらの写し

一連の取引過程における開始時点と終了時点の取引内容を明らかにする書類で、取引の中間過程で作成される書類の真実性を補完する書類 資金や物の流れに直結・連動する書類のうち特に重要な書類(重要書類)
・預り証

・借用証書

・預金通帳

・小切手

・約束手形

・有価証券受渡計算書

・社債申込書

・契約の申込書

(定型的約款無し)

・請求書

・納品書

・送り状

・輸出証明書

及び恒久的施設との間の内部取引に関して外国法人等が作成する書類のうちこれらに相当するもの

並びにこれら(納品書を除きます。)の写し

一連の取引の中間過程で作成される書類で、所得金額の計算と直結・連動する書類 資金や物の流れに直結・連動する書類(重要書類)
・検収書

・入庫報告書

・貨物受領証

・見積書

・注文書

・契約の申込書

(定型的約款有り)

並びにこれらの写し

及び納品書の写し

資金の流れや物の流れに直結・連動しない書類 資金や物の流れに直結・連動しない書類(一般書類)

引用元:国税庁|電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】令和5年6月|4ページ目(2023年8月11日時点)

上表の通り、重要書類と一般書類はまったく異なります。もしも領収書や請求書などの重要書類を、検収書や注文書などの一般書類と同じように取り扱ってしまうと罰則を受けてしまう可能性が非常に高いです。必ず確認した上でデータ保存するようにしましょう。

電子取引データ保存の要件

電子取引データ保存要件に関しては、以下の通りです。

電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け(自社開発のプログラムを使用する場合に限ります。) 見読可能装置の備付け等
検索機能の確保

次のいずれかの措置を行う(規4①)
一 タイムスタンプが付された後の授受
二 速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付す
※ 括弧書の取扱いは、取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る。
三 データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用して、授受及び保存を行う
四 訂正削除の防止に関する事務処理規程を策定、運用、備付け

引用元:国税庁|電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】令和5年6月|9ページ目(2023年8月16日時点)

各種の備付けや検索機能を完備することを、可視性の確保と言います。電子取引データにおける可視性の確保は、3つとも満たさなければなりません。可視性の確保においては3つ目の『検索機能の確保』が肝なのですが、詳しくは後述します。

その一方でタイムスタンプ・システム・事務処理規程のことを、総称で真実性の確保と言います。真実性の確保においては、上記4つのうちどれか1つでも満たせば問題ありません。タイムスタンプを付与できるシステムを導入し、対応するのが無難です。

罰則回避!電子帳簿保存法の対策方法を解説

ここからは電子帳簿保存法に違反しないための対策方法を解説いたします。

  • 電子帳簿保存法に対応した保存管理ステムを導入する
  • 自社で保存管理するのであれば検索要件を必ず満たす
  • 電子帳簿保存法の要件に沿って業務フローを見直す
  • 対象書類の保存期間を確認する
  • 社内のコンプライアンスを高める

電子帳簿保存法に対応した保存管理システムを導入する

電子帳簿保存法に違反しないための最も合理的な対策方法が、『電子帳簿保存法に対応した保存管理システムを導入する』ことです。電子帳簿保存法に対応した保存管理システムを導入することで、電子帳簿保存法に関する知識がなくても、誰でも簡単に対応できるようになります。

電子帳簿保存法に対応しているかどうかは、『JIIMA認証』の有無で判断するのがおすすめです。JIIMA認証とは、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が電子帳簿保存法の要件を満たしていることを認定した証のことです。JIIMA認証については、公式サイトで以下のように記載されています。

JIIMAでは、市販されているソフトウェアやソフトウェアサービスが電子帳簿保存法(電帳法)の要件を満たしているかをチェックし、法的要件を満たしていると判断したものを認証しています。JIIMA認証を取得したソフトウェア、ソフトウェアサービスを適正に使用することで、電帳法を深く把握していなくても法令に準拠して税務処理業務を行うことができます。

引用元:公益社団法人日本文書情報マネジメント協会|JIIMA認証制度(2023年8月11日時点)

JIIMA認証の表記がある保存管理システムを利用することで、電子帳簿保存法のルールを把握していなくても、自然と法令に準拠できます。自分で確認する時間がないときは、JIIMA認証を受けているシステムやソフトを導入するのがおすすめです。

自社で保存管理するのであれば検索要件を必ず満たす

もし保存管理システムを導入しないのであれば、自社で検索要件をしっかりと満たすことが重要になります。上述しましたように電子帳簿保存法の要件の1つに、検索機能の確保があるからです。

そのこともあり国税庁は、文書を電子保存するときは以下の検索条件でヒットするように求めています。

⑴ 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索の条件として設定することができ
ること。
⑵ 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することがで
きること。
⑶ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。

引用元:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】令和5年6月|28ページ目(2023年8月16日時点)

つまり対象書類が上記条件で検にヒットし、必要に応じていつでも表示されるようにしなければならないということ。そのためファイル名を以下のように記載し、保存しなければなりません。

【電子保存する文書ファイル名の例】
20221130_株式会社電子保存 _900,000円

左端の数字が取引年月日、中央の企業名が取引先名、右が取引金額です。ファイル名をこのように記入し電子保存をすれば、検索要件を満たせる、つまりは検索にヒットするようになります。電子帳簿保存法に違反しないためにも、上記の検索要件を必ず満たすようにしましょう。

また各文書を電子保存する際は、年月や取引先名などでフォルダを分けておくと、より探しやすくなるかもしれません。ご参考ください。

ちなみに上述しましたように、2023年の改正により検索要件の確保が不要になる対象者もいます。自社が該当するか否かを、今のうちに確認しておくと良いでしょう。

電子帳簿保存法の要件に沿って業務フローを見直す

電子帳簿保存法の要件を確実にクリアするために、要件に沿った業務フローを作成するのも1つの方法です。要件に沿った業務フローを作成しておくことで、電子帳簿保存法に関する知識がない方でも、自然と要件を満たしながら作業を進めることが可能です。

業務フローを作成するときに注意したいのが、『複数のチェックを行うこと』と『管理者を決めておくこと』です。たとえば、以下のようなフローを作成することで、電子帳簿保存法に違反する可能性を減らすことができます。

  1. 請求書の受領は特定のシステムでのみ扱う
  2. 受領の承認は特定の上司(管理者)が行った後、経理に再度承認を貰う
  3. 経理部で要件を満たせているかを確認する
  4. 規程の場所にしっかりと保存しておく

具体的な方法は企業によりさまざまありますが、上記のようなしっかりとしたフローを組んでおくことで違反のリスクを減らせるでしょう。

なお、国税庁では業務フロー作成用の参考資料(国税庁|参考資料)が用意されています。業務フローの作成で悩んだ場合は確認するのも選択肢のひとつです。

対象書類の保存期間を確認する

電子帳簿保存法では、取り扱う帳簿や書類によって保存期間が決められています。

まずは法人の企業向けです。法人化している企業における書類の保存期間は、国税庁で以下のように記載されています。

法人は、帳簿(注1)を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成または受領した書類(注2)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間(注3)保存しなければなりません。

(注1)「帳簿」には、例えば総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などがあります。

(注2)「書類」には、例えば棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などがあります。

(注3)青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた事業年度または青色申告書を提出しなかった事業年度で災害損失金額が生じた事業年度においては、10年間(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年間)となります。

引用元:国税庁|No.5930 帳簿書類等の保存期間(2023年8月11日時点)

国税庁の内容を分かりやすくまとめると以下の通りです。

  • 帳簿書類に関わらず7年間保存
  • 青色繰越欠損金が生じた場合は10年間保存

続いて、個人事業主や個人を対象にした保存期間については、国税庁で以下のように記載されています。1つ目の表が青色申告をした場合、2つ目の表が白色申告をした場合の保存期間です。

保存が必要なもの 保存期間
帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など) 7年
決算関係書類(損益計算書、貸借対照表、棚卸表など) 7年
現金預金取引等関係書類(領収証、小切手控、預金通帳、借用証など) 7年※
その他の書類(取引に関して作成し、又は受領した上記以外の書類) 5年

引用元:国税庁|記帳や帳簿等保存・青色申告(2023年8月11日時点)
※前々年分の事業所得及び不動産所得の金額が300万円以下の方は、5年
雑所得を生ずべき業務を行う方で、前々年分のその業務に係る収入金額が300万円を超える方は、現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります

保存が必要なもの 保存期間
収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年
決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 5年

引用元:国税庁|記帳や帳簿等保存・青色申告(2023年8月11日時点)

青色申告・白色申告・書類の種類によって、保存期間が7年間もしくは5年間になるということですね。したがって、個人事業主の方も基本的には7年間が保存期間であると覚えておくのが良いでしょう。そうすれば罰則を受けなくて済む確率がグッと上がります。

社内のコンプライアンスを高める

電子帳簿保存法に関するミスを減らすためには、社内のコンプライアンスを高めることも重要です。社内のコンプライアンスを高めることで、各従業員の小さなミスを減らすことができ、人為的な電子帳簿保存法の違反を防ぐことができます。

特に、紙書類を電子データ化する際には、データの改ざんや不正、不手際によるミスが起きてしまうおそれがあります。電子帳簿保存法の施行に伴い、しっかりとした業務フローを作ったとしても、従業員のコンプライアンスが低いとミスを避けることが難しいです。

そのため、電子帳簿保存法の導入に合わせて社内全体のコンプライアンスを高めることが重要になります。小さなミスで会社にどれくらいの損害が出るか、不正をすることでどれだけの罰則が与えられるかなどをしっかりと共有することが大切です。

電子帳簿保存法の違反ではありませんが、実際に合計19社で総額1億7千8百万の追徴課税が支払われたという実例もあります。1社当たりで考えると約950万円となり、会社に取って大きな損害になることがわかります。

平成30事務年度においては、消費税還付申告法人40件(前年対比97.6%)の実地調査を実施しました。このうち、消費税の非違があった法人は19件(同67.9%)、その追徴税額は1億7千8百万円(同234.2%)となっています。また、そのうち7件(同116.7%)は、不正に還付金額の水増しなどを行っており、3千万円を追徴課税しました。

引用元:国税庁|Ⅱ 法人税等の調査事績(2023年8月11日時点)

従業員一人一人がコンプライアンスを高く保つことで、重要な部分での人為的なミスを避けることができます。業務フローの作成と合わせて、こういった意識的な部分も高めておくと良いでしょう。

まとめ 電子帳簿保存法には罰則があるので注意

この記事では、電子帳簿保存法の罰則について解説いたしました。電子帳簿保存法の要件を違反した場合は、以下の罰則が科せられる可能性があります。

  • 青色申告の承認が取り消されるかもしれない
  • 推計課税を課されるかもしれない
  • 追徴課税を課せられるかもしれない
  • 会社法により過料を科せられるかもしれない

青色申告の承認取り消しや会社法の過料など、一見大きな罰則に思えるかもしれません。しかし、『電子帳簿保存法に対応した保存管理システムを導入する』など、しっかりとした対策を行うことで、電子帳簿保存法の要件に違反することなく書類を管理できるようになります。今回紹介した対策法を参考にしつつ、電子帳簿保存法に対応するようにしましょう。

なお各文書を電子保存するのであればDenHoをご利用ください。電子帳簿保存法に対応できることはもちろん、DenHoにはタグ付け・ファイルを横断した全文検索・帳票の自動振り分けなど、非常に便利な機能が多く備わっております。

「どうせ導入するのであれば、単に電子帳簿保存法に対応できるだけでなく、運用する際に役立つ機能が豊富なシステムを使いたい!」と考えている方は、ぜひご利用ください。

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