人材派遣業をはじめとした一部の業種においては、現在も勤怠表(勤怠管理表)を紙やEXCELで管理している企業が数多くあります。
人材派遣業特有の背景から紙やEXCELの運用からの脱却が難しい事情があります。
目次
人材派遣会社のDX化阻害要因
人材派遣会における勤怠管理DX化の阻害要因としては次のような要因があります。
派遣先の勤怠管理システムを利用せざるをえない
派遣先の企業の勤怠管理システムを派遣スタッフが利用する場合、クライアントが人材派遣会社へ渡すデータはPDFや紙であることが多く、人材派遣会社は自社のシステムへデータエントリーが必要になります。
パソコンが持ち込めない
派遣先の現場へパソコンの持ち込みができなかったり、ネットワーク環境がなかったりする場合においては、紙の勤怠表で運用することが多くなります。この場合も紙で作成された勤怠表を、人材派遣会社では自社のシステムへデータエントリーを人力で行うことが必要となります。
紙やPDFの勤怠表のデータエントリーを効率化するOCRという方法
紙やPDFの勤怠表の運用をなくすことができない業界特有の事情がありますが、現在の運用を継続したDX実現の選択肢の一つとしてOCRの利用があります。
紙やPDFの勤怠表をOCRにより、テキスト(CSV)データ化し、自社の基幹システムやEXCELファイルなどへデータを連携することで、人間によるデータエントリー業務を大幅に削減することが可能になります。
ここまで聞くとOCRという方法は希望の光のように思えますが、OCRを利用した勤怠表のDX化については、まだまだ人材派遣業界において普及が進んでいるとはいいがたいかもしれません。
勤怠表にけるOCR利用の普及が進まない要因
実は、これまで勤怠表におけるOCR利用が進まなかった要因は、OCRの従来製品における読み取り精度にありました。
OCR技術はここ最近で、AIの導入により飛躍を遂げました。それでも勤怠表のOCRによる読み取りはいくつかの課題を抱えていたのです。
①手書きOCRの読み取り精度
紙で運用する勤怠表の場合、手書きでの記入となりますので、手書きOCRの精度が低い場合には、確認・修正の時間が多くなり業務効率化につながらず実用化が難しくなります。
②勤怠表の位置のずれ
従来のOCR製品では、読み取り対象のエリアを指定することで、表やテキストの読み取りを行っていました。勤怠表においてはFAXで人材派遣会社が受領することも多く、FAXの勤怠表では書類の中身である表やテキストの位置がずれて出力されている場合も多々あり、エリア指定で行われるOCRの読み取り方法では、位置がずれることにより読み取りができないことが発生しがちです。読み取りできずに結局手作業での入力を強いられるため、業務軽減にはつながらなかったのです。
③FAXの汚れやかすれ、ゆがみ
FAXで勤怠表を受領する場合には、FAXに特有の汚れやかすれ、ゆがみによって読み取り精度が落ちてしまうこともあります。
④派遣先の会社ごとに書式が異なる
派遣先から送られてくる勤怠表の書式が、派遣先の会社ごとに異なるため、OCRを利用する際は、各書式ごとにテンプレートと呼ばれるOCR読み取り設定を必要としました。取引先が増えるたびに新たなテンプレートを作成しなければならず、大量のテンプレート作成が必要なばかりか、書式変更などに伴うテンプレートの保守など、業務が煩雑であり業務効率化にはつながりませんでした。
スマートOCRによる勤怠表のデータ化
前述の課題は、従来のOCR製品では解決が難しかったのですが、株式会社インフォディオ(以下、当社)によって開発された「スマートOCR」では解決できることが数多くありました。
スマートOCRは、従来のAI-OCR製品と大きく異なる特徴の一つに非定型帳票の読み取りがあります。
スマートOCRでも、従来同様のエリア指定による読み取り、いわゆる定型帳票の対応は他製品同様に可能ですが、エリア指定を必要としない非定型帳票の読み取り対応はスマートOCR特有の機能で、これまでの製品ではうまく読み取れなかった勤怠表でも高精度に読み取りすることが可能です。
また、スマートOCRでは、他社製品にみられるような読み取り項目数に応じた料金体系ではなく、読み取り枚数に応じた料金体系となるため、読み取り箇所の多い勤怠表のような帳票においては、コストパフォーマンスが優れている点も魅力の一つです。
スマートOCRの読み取り精度
OCRの選定を行う際に、多くの方が最も気になるのは読み取り精度でしょう。
スマートOCRの文字認識精度は99.8%を誇り、その文字認識精度の高さから、確定申告のe-Taxや国勢調査などでも採用されるなど、多くの実績があります。
純国産のAI-OCRのため、海外製のAI-OCRに比べ日本語の読み取り精度の高さはもちろんのこと、海外製AI-OCRでは対応できない日本語の手書きの文字の読み取りが特徴です。
自社による独自開発のAI-OCRエンジンであるため、精度向上に向けた改善も柔軟に対応できる点も安心材料といえます。
スマートOCRで実現する勤怠表の業務フロー
スマートOCRによる勤怠表の業務改善事例
派遣会社A社 業種:情報処理サービス業(SES)
課題
派遣先により、Excelや派遣先企業の勤怠管理システムで出力された出勤簿をもとに、勤怠システムにデータを入力し直す必要があった。
派遣先ごとに勤怠表の書式は異なるため、読み取り箇所をエリア指定する従来のAI-OCRでは、テンプレート作成・保守が煩雑であること、FAXの読み取り精度が悪いことから導入を見送っていた。
非定型帳票に特化したスマートOCRを導入したことで、テンプレート運用・FAX文書の読み取り精度ともにストレスなく業務軽減を実現した。
派遣会社B社 業種:物流(軽作業)
課題
PCが持ち込めない為、手書きの紙の勤怠表など、様々なフォーマットに対応する必要があった。
派遣スタッフの人数が多いため、システム化することで発生する教育コストの大きさが懸念され、手書き文書の運用をなくすことは難しかった。
そこで、手書き文字の読み取りに対応する
スマートOCRを導入したことで、これまで月初に集中していた勤怠表のエントリー業務から解放され、勤怠表の集計で発生していた残業時間が92%削減された。
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