保険事業と物流事業、2部門でスマートOCRを導入。手書き書類の処理時間を50%削減できた
- 企業規模
- 21名~100名
- 課題
- 手書きの自転車保険申込書をデータ化する業務の効率化
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保険事業と物流事業、2部門でスマートOCRを導入。手書き書類の処理時間を50%削減できた

兼松ロジスティクスアンドインシュアランス株式会社は、保険事業と物流事業を展開している企業です。
今回は、保険代理店事業と物流事業におけるスマートOCRを活用した書類処理の効率化について、取締役保険事業部長の石井さん、物流事業部の野原さん、正田さん、保険事業部の相馬さんにお話しをうかがいました。
手書き書類・PDFを大量に処理するにはスマートOCRが最適だと感じた
貴社の事業内容についてお聞かせください。
石井さん:弊社は、2010年に兼松グループの損害保険代理店をしていた株式会社ケーアイティと、物流事業会社の株式会社セントラルエクスプレスが統合した会社で、保険事業と物流事業を展開しています。
保険事業と物流事業は、ビジネスの中身や業務内容は全く異なりますが、手書き書類やPDFといった書面書類を多く取り扱い、書類処理のスピードや正確さが問われる点は同じです。2020年に私が保険代理店業務へのスマートOCR導入を推進し、2年ほど経ってから物流事業でも野原が中心となり活用するようになりました。
導入前の課題はどのようなものだったのでしょうか。
石井さん:保険事業部では、「自転車安心パック」というサービスに関連した保険の取り扱いをしております。「自転車安心パック」は、修理費の割引や万が一の事故時の保険などを備えたサービスで、自転車販売店で新車を購入した当日のみ加入できる商品です。
自転車を販売しているホームセンター40店舗から、手書きの申込用紙が、月に1度まとめて当社に届きます。500~600件ほどの書類を約10営業日で処理するという流れです。本来、保険事務はほとんどシステム化されていますが、店頭で起票された加入依頼書のデータ登録だけはどうしても手作業となります。一つひとつ目視して手入力していたので、事務の負担が大きい状態でした。
野原さん:物流事業部では、ある商品の在庫管理をしており、お客様のオーダーを受けて入出庫をしています。以前は、社員がPDFで送られてきた手配依頼書から必要な情報を読み取り、一項目ごとにExcelへコピーアンドペーストしていました。
1~2アイテムくらいの書類でしたら手作業でも全く問題はないのですが、洗い出して見ると、40アイテム以上にわたる書類も少なくありません。実際に私が作業をして時間を計ってみたところ、コピーアンドペーストは1件につき2~3時間かかる場合があり、効率化しなければいけないと感じました。
スマートOCRを導入した経緯と決め手をお聞かせください。
石井さん:実は、OCRに絞ってサービスを探していたわけではありません。書類作成をなるべく簡素化したいという思いがあり、いろいろな会社のサービスを検討しているときに、関連会社である兼松フューチャーテックソリューションズ(株)から紹介されたのがきっかけです。
OCRは保険業界で一時的に流行していたので存在は知っていましたが、精度が低くてやり直しになるイメージがあり、最初は導入に消極的でした。
トライアルを経て導入を決めたものの、弊社がITに詳しくないこともあり、最初は設定が難しく苦労した部分は否めません。
しかし、同業他社が使用していてシステムの質には信頼感があったので、上手く活用するため試行錯誤し、適切な運用フローができて今に至ります。結果としては、一定の精度で読み取りができ、大幅な効率化につながりました。
野原さん:保険事業部からOCRを使用している業務内容を聴き、「物流事業部で取り扱う業務の中でもスマートOCRが使えるのでは」と思い導入しました。インフォディオさんの担当の方にでテンプレートの作成・調整をしていただき、4ヶ月くらいで運用が軌道に乗りました。
書類処理の時間が約半分に。今後はノウハウを武器に横展開していきたい
スマートOCR導入による効果を教えてください。
石井さん:導入前は、「自転車安心パック」の加入依頼書1枚あたりの処理にかかる時間は3分。1ヶ月あたり500枚とすると、全部で25時間ほどかかっていた計算になります。1人のスタッフが丸一日集中しても、3日間も必要です。新生活がスタートする3月・4月や夏休み期間は自転車の販売数が多く、さらに書類の数が増え、処理に膨大な時間を割かなければいけません。
導入後は、人によるチェックや処理が必要なものの、約半分ほどの時間で業務が完了するようになりました。おおむねスマートOCRには満足しています。
相馬さん:手書き文字は人それぞれ特徴があるので、読み取り精度にはどうしても限界があります。平均すると、10項目のうち1項目くらいは読み込みエラーが発生します。特に数字関係は間違えると致命的なので、確認作業は必須です。しかし、全て手作業で行うよりは遥かに効率的なので、導入していなかったら、事務作業が回らなかったと思います。
正田さん:物流部事業部で取り扱う書類に関しては、導入前に3時間かかっていた入力作業が、チェックも含めて1時間で終わるようになりました。
野原さん:同じアイテムの情報が複数ページにまたがる場合など、たまに読み取りが上手くできない部分を手書きで埋めるくらいで、あとはシステム上で数分で終わります。チェックに時間がかかることを考慮しても、業務が進めやすくなりました。
今後のビジネスの展望についてお聞かせください。
石井さん:率直なところ、これから申込書のデジタル化などが進むにつれ、スマートOCRが不要になる可能性はあります。しかし、実際に業務効率化を実現できたので、利用できる業務には積極的に使っていきたいと考えています。手書きの書類やPDF関連の業務をDX化するには、効果的なツールなのは間違いありません。
さらに、今回得たスマートOCRを活用した業務効率化のノウハウを武器に、自転車に限らず店頭で申込書を記入するサービスの事務処理を請け負うなど横展開していきたいと考えています。
また、電子帳簿保存法改正に対応するために「DenHo」というサービスを紹介いただいたので、利用を検討しているところです。インフォディオさんは弊社の事業や業務フローなどへの理解が深いので、今後とも業務効率化の相談に乗っていただこうと思っています。
※インタビューの内容は取材時のものになります。
- 企業規模
- 21名~100名
- 課題
- 手書きの自転車保険申込書をデータ化する業務の効率化
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