決算書パックでデータの入力時間が1/9に激減。クライアント対応に注力できるようになった
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決算書パックでデータの入力時間が1/9に激減。クライアント対応に注力できるようになった
株式会社タナベコンサルティングは、創業者の「この国には企業を救う仕事が必要だ」という想いから、1957年に「田辺経営相談所」として創業しました。日本の経営コンサルティングのパイオニアとして、創業以来、1万7000社以上の経営コンサルティングの実績を有しています。
2023年に業務効率化のためスマートOCRの「決算書パック」を導入し、データ入力作業を半自動化させることに成功しました。コンサルタントがクライアント対応により注力でき、スピード感のある判断の提供が実現しています。
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- 課題
- 決算書データの入力に時間が取られる
- データ入力には財務知識が必要
- 判断やクライアントとの時間を確保したい
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- 解決策
- スマートOCR(決算書パック)を導入
- マスター連携で、勘定科目を選択できるようにした
- 担当スタッフが決算書の読み取りからCSV化までを担当
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- 効果
- 入力時間が1/9に短縮。スピード感のある対応が可能になった
- コンサルタント以外も対応可能に。3営業日以内にレポート出力ができるようになった
- 判断の提供が早くできるようになり、強い信頼につながっている
2~3時間かかっていた入力作業が20分に。スピード感のある提案で作業効率以上の価値を生んだ
初めに御社の概要と藤坂さまの役割を教えてください
藤坂さん:当社は北海道から沖縄までの全国10地域に事業所を展開している経営コンサルティングファームです。経営コンサルティング領域として、戦略策定(上流)から現場におけるDXなどの経営オペレーションの実装・実行(中流~下流)まで、企業経営を一気通貫で支援できる経営コンサルティングを全国地域密着で展開しています。
私が所属する戦略総合研究所プロフェッショナルDXチームは新商品開発、マーケティング、人材育成を中心とし、コンサルタントがクライアントに価値を提供するための“武器”を、幅広く整備している部門です。
スマートOCRを導入したきっかけを教えてください
藤坂さん:コンサルティングは、クライアントに対しいかに価値を提供したかが業績に直結します。コンサルタントは決算書をもとに財務分析を行い、問題点を見つけクライアントに判断を提供しています。決算書を読み解き、分析・判断する前段として、決算書データをエクセルに入力する作業があるのですが、かなりの時間を要するためこの部分をOCRで半自動化し、判断に集中する時間や環境を確保したいと考えたのがきっかけです。
どのようにOCRの選定を行いましたか
藤坂さん:複数社の製品を比較しました。専用のリーダーが必要だったり、所定のフォーマットでないと読み込めなかったり、マークシートのみの対応だったりといった製品の中で、スマートOCRには決算書に特化した「決算書パック」があり、早い段階で絞り込めました。OCRが目的ではなく、指標化することが目的ですので、その後のシステムに連携できることも大きかったですね。
どのような運用をしていらっしゃるのでしょうか
藤坂さん:まず、コンサルタントがクライアントから預かった4期分の決算書を、各事業所のスタッフがスマートOCRで読み取ってCSV化します。私たちはそのCSVデータを専用システムに取り込んで分析レポートをつくり、コンサルタントに渡します。コンサルタントはレポートをもとに判断をし、クライアントへの提案を行う流れです。
スマートOCRを導入する前は、エクセル入力だけで1社当たり2~3時間かかっていました。導入後はCSV化まで約20分、1/9の時間で済むようになりました。
1/9とは大幅な時間短縮ですね
藤坂さん:圧倒的な生産性向上です。私がコンサルタントの時にスマートOCRに出会いたかったです(笑)。日中、コンサルタントはクライアント対応に注力し、夕方から入力作業を行う日々でした。当日中にできなければ翌日以降に持ち越してしまいます。入力時間が1/9になった今では、自動で作成されたレポートに対する指摘やアドバイスなどの検討を含めても、分析レポートの作成は3営業日程度に収まっています。
コンサルタントはレポートの判断から取り掛かかることができ、クライアント対応に注力できるので、次の訪問時に提案書を持っていくとその早さにとても驚き、喜んでもらえます。スピード感のある判断を提供できることは、作業効率以上に大きな価値を生み、強い信頼を得ることにつながります。
財務知識がなくてもデータ作成がスムーズに。
マスターを充実させてチェック不要を目指したい
先般アカウントを追加されましたが、どのように使っているのでしょうか
藤坂さん:
全国の10事業所にそれぞれ付与しました。決算書パック導入当初は、私たち戦略総合研究所でCSV化も行っていましたが、各事業所でよりタイムリーに対応できるようにしたんです。これまでエクセル入力は財務知識がないと勘定科目の選択が難しく、コンサルタントから依頼された担当者は選択を迷い、確認に数日かかっていました。
決算書パックでは勘定科目は選択肢の中から選べばよく、間違いにくくなったので、コンサルタントの手から放して各担当者に任せることに統一したんです。
各担当者の方々の感想はいかがですか
藤坂さん:
OCR後のチェックだけで済むというのは大きいですよね。気持ちの上でも楽になったと喜んでいます。
勘定科目の間違いだけでなく、数字の入力ミスや桁数の間違いなどがあると、コンサルティングの品質にも影響を与えかねず、プレッシャーも大きかったと思います。
スマートOCRの読み取り精度はいかがでしょうか
藤坂さん: 紙で受け取るものは、文字のかすれなどがエラーにつながることがあります。できるだけデータや、コピーではないものを入手するようにしていますので、困ったことはありません。改修や改善を依頼することなく使えています。
機能や使い勝手の面でご要望はありますか
藤坂さん:
現在マスター設定ができる帳票は、①貸借対照表、②損益計算書、③製造原価報告書、
④その他――の4種類なので、違う種類の帳票に対応できるよう、少なくともあと1枠増やしていただけるとさらに効率化できます。今は運用を工夫して使っています。
また、例えば製造業と建設業など、業種が異なると使う勘定科目は異なるので、業種別のマスターをセットできるようになるともっと使いやすくなると思います。
貴重なご意見ありがとうございます。開発チームと連携します。
決算書パックはどのような会社にお薦めできそうでしょうか
藤坂さん:
財務や会計、経営企画部門など会社の数字に関わる部署であれば、どこでも有効です。それ以外でも、特に、社員の実働時間が業績に直結するような業種では圧倒的に効果があると思います。
自社のスマートOCRの用途では、私の部署は書籍などの出版物も発行しているので、pdfで保管しているさまざまな資料を読み込んで、原稿作成時の資料として使えるのではないかと考えているところです。
今後の目標を教えてください
藤坂さん:
決算書パックについては、マスター連携のゆらぎワードを充実させて、ジャストフィットな選択肢を表示して、ほぼチェック不要で申請をあげられるくらいにしたいと考えています。
当社は「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念のもと、現在地から未来の社会に向けた貢献価値として、「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」というパーパスを定めています。戦略や改善策を提示するだけでなく、実行推進まで伴走する強みを生かし、唯一無二の経営コンサルティング会社として、これからも経営層・リーダーの「決断」を支えてまいります。
スマートOCRが御社の貢献価値の創造に役立っていることが大変うれしいです。
御社の目標を達成し続けられるよう、引き続きよりよい製品を目指して開発を進めてまいります
※インタビューの内容は取材時のものになります。
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