書類をデータ化させる方法|スキャナーや電子保存するメリットも解説

「書類をデータ化させたいが、どのような方法があるのだろうか」
「そもそもメリットはあるのかな」

担当者の方は、上記のように考えることがあるかもしれません。書類をデータ化させる方法は数多くあります。専用ツール・スキャナー・複合機などが代表的な例。用途に合わせて選択できるため、書類をテキストデータ化させること自体に苦労することはないでしょう。

しかし逆に言いますと、これだけ手段が豊富にあれば選ぶ際に迷うことがあるかもしれません。「自社にとって、どれが一番良い方法なのかな?」と。

この記事では、書類をデータ化する方法や具体的なメリットなどを解説します。「書類のデータ化を始めたいけど、まずは基礎知識を十分に得てから着手したい」と考えている人は、ぜひ読んでみてください。

スキャナーなど!書類をデータ化する方法

ここでは、書類をデータ化する方法について解説します。具体的な方法は、下記のとおりです。

  • スマートOCRを使う
  • スキャナーを使う
  • アプリを使う
  • 複合機を使う
  • 代行業者に依頼する
  • コンビニでスキャンする

スマートOCRを使う

弊社が開発したスマートOCRを用いれば、書類のデータ化をスムーズに進められます。スマートOCRには、データ化に関わるさまざまな機能が搭載されています。機能の一例は下記のとおりです。

機能概要 具体的な機能
UI/UX ・画像サムネイル表示

・絞り込み表⽰

・誤認識文字修正

入力 ・画像ファイル読込

・画像の部分切出し

歪み・ノイズ処理 ・向き判定、回転処理

・台形補正

・ゆがみ補正

文字列エリア・文字認識 ・文字列エリア自動認識

・文字列・文字認識

枠線・表認識 ・枠線・表認識

・かすれ線修正認識

引用元:スマートOCR|機能(2023年11月10日時点)

スマートOCRの大きな特徴は、下記3点です。

  • 手書き文字対応
  • データ抽出精度が高い
  • RPAとの連携が可能

スマートOCRは、手書き文字も認識可能です。手書きの書類やメモもデータに変換できるため、情報の共有や保管がスムーズに進むでしょう。

また、 データの抽出精度が高い点も特徴の1つです。スマートOCRを用いれば間違いが少なく、信頼性の高いデータが得られるため、正確さと効率さを求めている人におすすめできます。

さらに、RPAとの連携も可能です。RPAとは事務作業などを自動化できる技術のことです。スマートOCRをRPAと連携させれば、データの抽出から処理の流れを自動化できるため、業務効率が大幅に向上するでしょう。ぜひご利用ください。

スキャナーを使う

スキャナーを用いれば、オフィスや家庭で簡単に書類をデータ化できます。スキャナーは書類をデータに変換する専用機器であるため、細部まで正確にデータ化可能です。

また、OCR機能を内蔵しているモデルも多く、テキストを編集可能な形式でデータ化できます。

そんなスキャナーを使う具体的な手順は、下記のとおりです。

  1. スキャナーをパソコンに接続する
  2. 解像度やカラー、ファイル形式などを設定する
  3. 書類をスキャンする
  4. スキャンが完了したら、データをパソコンに保存する

スキャナーを使うメリットは、画像の品質を細かく設定できる点です。また、多くのスキャナーは多機能であるため、他のオフィス機器と組み合わせやすい点もメリットです。

アプリを使う

アプリを利用して書類をデータ化する方法は、手軽さと利便性が大きな特徴です。今や多くの人が持っているスマートフォンやタブレットのカメラを利用して書類を撮影できるため、誰もが手軽に書類をデータ化できます。

アプリを使う具体的な手順は、下記のとおりです。

  1. アプリストアから文書スキャン用のアプリをインストールする
  2. アプリを開き、初期設定を行う
  3. 書類を平らな面に置き、スマートフォン(タブレット)のカメラで撮影をする
  4. スキャンしたデータをPDFやJPEGなど任意の形式で保存する
  5. 必要に応じて、アプリ内のOCR機能を利用して編集を行う

アプリを使えば、スキャナーなどの機器を必要としないため、外出先や移動中にも簡単に書類をデータ化できます。

アプリを使用した書類のデータ化は、手持ちの端末を活用していつでもどこでも書類をデータ化できる手軽な方法です。時間と場所を選ばず、迅速に情報をデータ化して共有できるため、急ぎの際にも役立つでしょう。

複合機を使う

複合機を使用して書類をデータ化する方法は、すでに複合機がオフィスにある場合におすすめの方法です。

複合機はスキャンやコピー・印刷・ファックスなど、複数の機能を一台でこなせる機器です。機器を個別に用意する必要がないだけでなく、一元的な管理が可能であるため、オフィスでは書類のデータ化に複合機を用いると良いでしょう。

複合機を使う具体的な手順は、下記のとおりです。

  1. 複合機の電源を入れ、スキャンモードを選択する
  2. スキャンしたい書類をセットする
  3. 解像度やカラー設定などのオプションを設定する
  4. 書類をスキャンする
  5. スキャンが完了したら、データをパソコンやUSBメモリなどに保存する

複合機を使うメリットは、高速かつ高品質のスキャンを実現できる点です。また、大量の書類を一度にセットすれば、1枚1枚手作業でスキャンする手間を省けます。さらに、スキャンしたデータを直接クラウドにアップロードできる機能を備えている機器もあるため、社内におけるデータの管理と共有がスムーズになるでしょう。

代行業者に依頼する

代行業者に書類のデータ化を依頼する方法は、時間とリソースをかけたくない際に有効な選択肢です。

代行業者に依頼すれば、専門知識を持つプロによる高品質なデータ化が期待できるでしょう。特に、自社でのデータ化が困難な大量の書類や、専門的な扱いを要する文書の場合に適しています。代行業者に依頼する具体的な手順は、下記のとおりです。

  1. 代行業者を選定する
  2. サービスの範囲やコスト、納期などについて打ち合わせをする
  3. 書類を代行業者に引き渡す
  4. 代行業者が書類をデータ化し、納品する

書類のデータ化を代行業者に依頼すれば、時間とコストの効率化やクオリティーの高いデータの入手が同時に図られます。ある程度予算に余裕がある場合は、代行業者に依頼するのも1つの方法です。

ただし、仮納品されたデータは自社にて検品を行わなければなりません。間違いがないかどうかの確認作業が大変な可能性がある点には注意しましょう。

コンビニでスキャンする

書類をデータ化する機器が手元にない場合は、コンビニで書類をスキャンする方法が有効です。また、急ぎのシチュエーションや小量の書類をデータ化したい際にも、非常に便利で簡単な方法でしょう。

多くのコンビニでは、24時間利用可能なマルチコピー機を設置しており、誰でも簡単に利用できます。コンビニでスキャンする具体的な手順は、下記のとおりです。

  1. マルチコピー機の画面上の指示に従い、スキャンに対応した機能を選択する
  2. 書類をスキャナー部に置く
  3. 解像度やカラー設定などのオプションを設定する
  4. 料金を支払い、書類をスキャンする

コンビニであれば、深夜や休日であってもスムーズに書類のデータ化を実現できます。ただし読み取るたびに一定のコストが発生することも覚えておきましょう。

スキャンなどで書類を電子データ化させるメリット

ここでは、書類を電子データ化させるメリットについて解説します。具体的なメリットは、下記のとおりです。

  • オフィス外でも業務をできるようになる
  • 管理コストを削減可能である

オフィス外でも業務をできるようになる

スキャンなどで書類を電子データ化させるメリットは、オフィス外でも業務をできるようになる点です。書類をスキャンしてデータ化すれば、パソコンで共有することが可能となるからです。

このメリットは、働き方の多様性を支える根幹ともいえるでしょう。データ化された書類はインターネットを通じていつでもアクセス可能となり、リモートワークや出張中でもオフィスにいるときと変わらずに情報を得られます。

例えば、営業担当者がクライアントと商談をする際にも、必要な資料を端末上で即座に確認可能です。即時性があるため、顧客からの信頼を勝ち取り、スムーズな商談を可能にするでしょう。また家庭の都合にて自宅で業務をする際にも、効率性を維持しながら作業を進められます。

近年ではリモートワークの普及が進んでおり、場所にとらわれずに働ける環境が整備されてきています。書類をデータ化すれば仕事と私生活のバランスを取りやすくなり、結果として仕事の満足度や生産性が向上する可能性があるでしょう。

管理コストを削減可能である

書類をスキャンしてデータ化すれば、組織の管理コストを大幅に削減できます。例えば、データ化を進めた場合は、書類を置いておくキャビネットや保管室が不要になります。これにより、オフィス内での従業員の作業スペースを広げる、会議室や休憩室として活用するなどの施策が打ち出せます。こういった取り組みは、従業員の満足度向上や業務効率アップにつながるでしょう。

さらに、紙をデータに置き換えることで、検索性とアクセス性のアップも期待できます。結果的に従業員の労力と時間が節約され、その分ほかの生産的な活動に集中できるようになるでしょう。間接的に、会社の売上・利益アップにも少なからずつながっていきます。

書類のデータ化は、直接的なスペースコストの削減だけでなく、作業効率の向上やリスク管理の強化を通じて、経営上のコスト削減に大きく貢献します。

まずは現状整理!データ化を導入する際の手順

ここでは、データ化を導入する際の手順について解説します。具体的な手順は、下記のとおりです。

  1. データ化させる書類を確認する
  2. 業務フローを見直す
  3. 電子帳簿保存法に則った保存ルールを決める
  4. 保存管理システムを導入する

データ化させる書類を確認する

データ化を導入する際には、まず対象書類を確認しましょう。

すべての書類を無差別にデータ化するのは非効率的でコストもかかります。また、書類によっては法的な保存期間も定められているため、選定作業は必須です。

例えば、契約書や発注書、請求書は業務の基盤となる重要な書類です。これらをデータ化すれば、すばやいチェックや更新が可能となるでしょう。一方、一時的な報告書や普段使わない業務マニュアルなどは、必要性が低いためデータ化の優先順位は下がります。

データ化する書類を選定する際には、利用頻度や情報の機密性などを考慮しましょう。また、関連する部署や従業員と打ち合わせを実施し、業務に不可欠な書類か否かのすり合わせも重要です。

書類の選定は、データ化を進めるうえで重要な作業です。適切な書類を選び出し、必要なものだけを効率的にデータ化すれば、コスト削減や業務の効率化につながります。丁寧に洗い出しを進めていくよう心がけましょう。

業務フローを見直す

データ化させる書類を確認した後は、各種書類に関わる業務フローを見直しましょう。

業務フローの見直しは、書類のデータ化によってどのプロセスの業務効率化を図れるかの可視化につながります。データ化した書類が、業務プロセスにどのように組み込まれるべきか、どの工程が最適化されるべきかを特定する作業が効率化においては重要です。

効率化される例の1つは、経理部門での領収書処理です。紙の領収書を手動で仕分け、承認を得てから支払いを行うというプロセスには多くの時間がかかります。しかし、領収書を電子化すれば、確認から承認までをスピーディーに行えます。

業務フローを見直すことで、ただ書類を電子化するだけではなく、業務プロセスそのものを改革できるようになるでしょう。この段階では、プロセスマッピングを行い、各ステップで費やしている時間やボトルネックを特定し、それを解消するための策を講じます。

データ化を機に業務フローの見直しを行うことは、組織の生産性を向上させる絶好の機会です。データ化の真の価値を最大限に引き出し、企業全体の運営効率を高めましょう。

電子帳簿保存法に則った保存ルールを決める

書類のデータ化を進めるにあたって、電子帳簿保存法に準拠した保存ルールの策定は必須の取り組みです。国税庁による電子帳簿等保存制度特設サイトでは、電子帳簿保存法について以下のように説明しています。

電子帳簿保存法は、税務関係帳簿書類のデータ保存を可能とする法律で、同法に基づく各種制度を利用することで、経理のデジタル化が図れます。

引用元:国税庁|電子帳簿等保存制度特設サイト(2023年11月10日時点)

電子帳簿保存法には、企業が電子データを正しく保存するための具体的な指針が設けられています。この法律の遵守は、法的義務を果たし、将来的な税務調査等に対応するために必要不可欠です。

例えば、スキャンした書類には改ざんができないように電子的なタイムスタンプを付与し、原本との対比が可能であることを保証する必要があります。また、保存する電子データには高い可読性が求められ、長期間にわたりその品質を維持するための措置を講じる必要があるでしょ

保存管理システムを導入する

保存ルールを定めたら、保存管理システムを導入しましょう。保存管理システムの導入は、企業の文書管理を効率化し、コンプライアンスを強化するために必要です。書類やデータの量が増大しているため、システムの導入なしには管理が困難になっています。

しかし保存管理システムを用いれば、文書の分類や検索、管理を効率化できます。必要な情報に迅速にアクセスできるため、業務効率がアップするでしょう。さらに、セキュリティ機能を備えたシステムを導入すれば、機密情報の保護も同時に実現可能です。

具体的な例としては、医療機関での患者情報の管理や金融機関での顧客データの管理に保存管理システムが利用されています。厳格なセキュリティ規範を満たしつつ、日常の業務が大幅に効率化されているのです。

このように、保存管理システムの導入は、時間とコストの削減やセキュリティ強化など多くのメリットをもたらします。企業が現代のビジネス環境における要求に対応し、持続可能な運営を実現するためには、保存管理システムの導入が必要不可欠です。

紙書類のデータ化など!活用事例を解説

ここでは、書類をデータ化する事例を紹介します。紹介する事例は、下記のとおりです。

  • 過去に作成した紙書類のデータ化
  • 領収書やレシートのデータ化

過去に作成した紙書類のデータ化

書類をデータ化する際の具体的な活用事例は、過去に作成した紙書類のデータ化です。企業の紙書類をデータ化すれば下記のようなメリットを得られます。

  • 検索性の向上
  • スペースの節約
  • 災害からの保護

多くの企業にとって、過去に作成した紙書類は業務遂行上不可欠な情報源です。契約書や議事録、報告書などはそれぞれ重要な役割を果たしており、保存が欠かせません。しかし、紙ベースの文書は検索性が低いだけでなく、大量の保管スペースを必要とします。また、火災や水害などの災害に対しても非常に脆弱です。

これらの問題を解決するためには、データ化が有効です。さらにデータ化された文書を電子文書管理システムに格納すれば、キーワード検索や迅速な情報共有、効果的なバックアップなどが可能となります。

紙書類のデータ化によって、重要な文書に簡単にアクセスし、オフィススペースを有効活用できます。結果的に、経営の効率化と資源の最適化が実現されるでしょう。

領収書やレシートのデータ化

書類をデータ化する際の具体的な活用事例は、領収書やレシートのデータ化です。

領収書やレシートのデータ化は、会計処理を合理化かつ効率化するための効率的な手法です。領収書やレシートは、企業にとって重要な財務データであり、経費追跡や税務報告の根拠となります。従来の紙ベースの記録保持では、失われたり、劣化したりするリスクがあり、時間が経つと共に整理や検索が困難になります。

データ化さえすれば、支出のカテゴリー分けやデータベースへの入力も容易となるでしょう。手動でのデータ入力の手間が省けるだけでなく、人為的ミスも減少します。

また、クラウドベースの会計ソフトと連携させれば、リアルタイムでの財務分析やレポートの生成が可能になります。結果的に、財務の透明性が向上し、経営判断に役立つタイムリーな情報が得られるようになるでしょう。

領収書やレシートのデータ化は、検索の迅速さや経費管理の精度の向上など、数多くのメリットをもたらします。特に経費の承認プロセスや月末の経理作業において、時間と労力を大幅に削減できるでしょう。

まとめ|書類はデータ化させるのがおすすめ

紙書類のデータ化をためらっている人は多くいます。しかし、メリットや適切な手法を理解すれば、不安の多くは解消されるでしょう。

データ化によって検索性の向上や保管スペースの節約、情報共有の効率化などのメリットが得られるため、取り組んでおいて損はありません。情報が飛躍的に増えている現代社会において、データ化の取り組みは情報管理の質を向上させ、作業効率を大幅に改善するための必須の措置です。

どの方法を選べばいいか迷っている場合は、ぜひスマートOCRをお使いください。スマートOCRを導入すれば、書類管理が効率化され、業務がよりスムーズに進んでいきます。ご検討ください。

The following two tabs change content below.
スマートOCRに関する情報を発信していきます。 スマートOCRは非定型帳票や手書き文字にも対応した次世代型のAI-OCRです。スマートOCRについての詳しい情報はこちらから。 公式Twitterで最新情報を配信していますので、フォローしていただけると最新情報をすぐに入手できます。