うっかりやりがちなミス。電子帳簿保存法対応の運用で気をつけたいこと。

うっかりやりがちなミス。電子帳簿保存法対応の運用で気をつけたいこと。

令和4年の改正電子帳簿保存法の施行で、制度が大幅緩和されたことにより、領収書や請求書等の書類の電子保存の敷居が下がりました。

紙で受領した領収書や請求書をスキャンして保存、またはスマートフォンで撮影して保存することで、原本を破棄できるようになります。
物理的な保管スペースを削減できるだけでなく、テレワークの推進にもつながることから、電子帳簿保存法のスキャナ保存は、企業への採用が広がり続けています。

電子帳簿保存法は複雑で難解な法律でもあるため、法律を部分的にしか把握していなかったことで電子帳簿保存法の規定の要件を実はクリアしないまま運用していたなんてことが起こりがちです。

そこで、電子帳簿保存法対応として、うっかりやりがちなミスの具体例をご紹介いたします。

スキャナ保存で白黒・グレースケールはNG

電子帳簿保存法のスキャナ保存においては、スキャンした書類画像、スマートフォンで撮影した書類画像においては階調は256階調以上でなければならないと規定されています。
わかりやすく言いかえるならば、カラーでスキャン・撮影しないとダメということです。

スマートフォンでは、標準カメラアプリを普通に利用している限りでは、カラーで撮影することになるので、問題になることはありませんが、スキャナーでスキャンするるときは注意が必要です。

複合機でプリントアウトのときにいつも白黒で印刷してるからスキャンのときも癖で白黒を選んでしまった。あるいは、レシートは白黒印刷された紙だから、わざわざカラーでスキャンする必要はないと判断し、白黒でスキャンしてしまったといったケースが考えられます。

電子帳簿保存法においては電子取引で授受した書類の場合は、送付された書類が白黒であれば、そのままの状態で保存することになりますので、電子保存により管理する書類はカラーも白黒も混在することでしょう。そのため、スキャナ保存においても白黒で保存しても良いと誤解されることがあります。電子取引とスキャナ保存の管理要件の違いについて正しい認識のもと運用するよう注意が必要となります。

メールで受領した書類を印刷・スキャンして保存するのはNG

今回の法改正から電子取引で受領した書類においては、データのまま保存することが必須となります。

電子取引の範囲には、メールで送付された請求書、見積書、注文書、契約書等の書類も含まれます。
ECサイトで物品購入した際の領収書なども電子取引に該当します。

これらの取引書類は、以前はプリントアウトして紙で保存することが義務化されていたのに、令和4年からデータのまま保存することが義務付けられました。

電子取引の場合、受領したデータのまま書類を保管・管理しなければならず、紙へ出力してスキャンして保存することは認められません。保管方法についての正しい知識がないことで、電子取引で受領した書類をスキャナ保存により運用してしまうことに注意しましょう。

これまでの運用では、紙へ印刷して保存、または各種申請書類へ添付となっていたことで、これまで同様に印刷するフローがそのまま残っていることは多いことでしょう。

このような場合、書類保存のフローと、社内申請ワークフローが、一連のつながりが崩れ、書類保存の点においては分岐した運用をせざるを得ないことが考えられます。

全体的に運用を見直すか、運用方法の変更を周知徹底するなど、対策を取ることが必要となります。

電子帳簿保存システムDenHo
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