作業時間を約50%削減!入力画面の見やすさや機能性が導入の決め手に
OCRの対象帳票
- 注文書
作業時間を約50%削減!入力画面の見やすさや機能性が導入の決め手に
株式会社トーモクはオーダーメイドの段ボールや紙器パッケージの製造と販売を事業の核とする専業段ボールメーカーの最大手であり、輸入住宅業界のリーダーである株式会社スウェーデンハウスや、物流分野で活躍する株式会社トーウンを連結子会社として抱え、多角的なビジネスを展開する企業です。
今回は、段ボール製造の書類処理にスマートOCRを導入し、効率化を実現した事例について、担当者の小泉さん、小林さん、稲垣さん、イノベーション推進室長の園木さんにお話しをうかがいました。
丁寧なサポートとフォローアップで速やかに運用を開始。
他社と比較検討し、スマートOCRがベストでした
貴社の事業についてお聞かせください。
小泉さん:弊社の主な事業内容は、オーダーメイドの段ボール製造や紙器パッケージの製造、住宅関連事業などです。
今回、スマートOCRを導入した段ボール製造事業は、お客様から発注を受けてオーダーメイドの段ボールを製造し、指定の場所へ送るといったサービスを提供しています。
スマートOCRを導入する前の貴社の課題と導入までの経緯はどのようなものだったのでしょうか。
小林さん:弊社の段ボール事業においては、全国約1万社のお客様より、年間約60万件の段ボールのご発注を頂いております。弊社の1日あたりの受注数は約3,000件で、その受注業務のほとんどをファックスで行っていたため、情報を入力・確認する作業に多くの時間と労力を要していました。
ご発注をデータで受け取ることができればOCRを利用する必要はありませんが、まだ多くのお客様がファックスを使用されており、今後もその傾向は続くと思います。
そこで、お客様の業務フローを変えずに弊社の受注業務を効率化することができないかと考え、御社のスマートOCRを導入しました。
スマートOCRを導入した決め手をお聞かせください。
小林さん: 得意先の発注形態や検査など、さまざまな課題がありました。その中でいくつかのAI-OCRを比較検討したところ、スマートOCRの入力画面が見やすく、そのほかさまざまな機能の使い勝手が良いと感じたため、導入を決定いたしました。
注文書の入力業務の50%削減に成功。今後はフォーマットの標準化でさらに高い効果を目指す
スマートOCR導入による効果を教えてください。
稲垣さん: スマートOCRの導入により、現時点で1日の受注処理時間を約50%削減することに成功しました。
従業員は、納期、数量、品目、納品場所、時間などの情報を企業ごとに異なるフォーマットの注文書から手作業で入力する必要があります。件数が増えれば増えるほどに、やはり入力ミスが増加してしまいます。経験豊富な従業員はやはりミスが少ないのですが、このように経験によって結果が変わる事態は避けなければなりません。
スマートOCRは注文書の文字をAI-OCR機能によって読み取り、正しく読み込まなかったところは簡単に修正できます。スマートOCRの導入により、異なる注文書フォーマットに柔軟に対応し、経験に頼らない効率的な情報入力を実現できたことで、入力ミスが大幅に減少しました。
スマートOCRの導入で苦労したことはありましたか?
小泉さん: 画面操作やインターフェースへを覚えるのに苦労しました。やはり、初めて導入するシステムというのは、どうしても慣れるまでに時間がかかるものと考えています。
そのため、アフターサービスやフォローアップがしっかりとしているかが重要だと考えているのですが、その点はインフォディオさんにきちんと対応していただけたので、スムーズに運用を開始できました。システムの特徴や使い方などはもちろん、テンプレートの作成などにおけるサポートも受けられたのはありがたかったですね。
帳票処理に関して今後の課題があれば教えてください。
稲垣さん: 注文書には、備考として担当者の名前や特記事項などが記載されていることがあります。そのようなケースには対応していないため、今後何らかの方法で対応できたらいいなと思っています。
また、弊社は最終的に基幹システムに注文書のデータを入力しているのですが、1社ごとに注文書のテンプレートと出力フォーマットを合わせて、さらには基幹システム側の設定も変えていくとなると工数が多すぎるため、できるだけ標準化していきたいと思っていますね。
今後のビジネスの展望についてお聞かせください。
小泉さん: 弊社は、売上を3000億円以上に増加させることを目標としています。この目標を達成するためには、現行の売上から1.5倍の成長が必要となり、テクノロジーの導入による業務効率の向上が不可欠です。
スマートOCRの導入は中期目標を達成するための取り組みの一環として導入しました。これにより、人的リソースをより効率的に活用できるようになると考えています。既存のリソースを最大限に活用することで会社の生産性向上を実現し、現行の人数で150%の生産性を達成することを目指します。
また、可能であれば経理部門の請求書の電子化などでもスマートOCRを活用し、業務効率化を進めていきたいですね。
データ処理の自動化を通じて新たなビジネスインサイトを得ることができた
今回のSmartOCR導入によるDX推進のポイントは何ですか
園木さん: 「顧客重視」、「現場主義」、そして「イノベーションの推進」です。
御社における「顧客重視」とはどのようなことですか
園木さん: 段ボールはほとんどがカスタムメイドで、今日いただいた沢山のご注文を明日か明後日にはお届けするのが業界の通例です。この速いプロセスを維持しながら更なる効率化を求めるのが、我々だけでなく業界全体の課題であり、これに多くの段ボールメーカーが人海戦術で対応しているのが現状です。
しかし、私たち現場の困りごとはお客さまの困りごとでもあり、一度速くなったプロセスを遅くすることは、お客様にとっても我々にとっても、土台無理な話です。
さらに、日本の多くの企業が複雑化したレガシーシステムからの脱却に苦慮しているのですからDX化は掛け声だけでは進まないわけです。
その中で私たちがお客様のシステムや業務フローを変えずにDX化できたら、その時、私たちはお客様に何が提供できるだろう?と考えました。
それによって何が改善されましたか
園木さん: 今回のSmartOCRの導入により、お客様が従来通りFaxで発注書を送信されても、弊社では受信したFaxを自動的に読み取り、書かれているデータが基幹システムに自動入力されることで、処理スピードと精度を大幅に向上させることができました。
機械が得意なことは機械にやってもらう。その結果、弊社の担当者たちはお客様に気の利いた、心のこもったサポートを提供することが可能になってきました。
現場主義とはどのようなことでしょうか?
園木さん: いわゆるDevOpsの徹底です。今回のプロジェクトは、現場の社員たちが主導する改革を推進しました。まず、アンケートを採り、現場の困りごとを洗い出してもらいました。
その結果を踏まえてDevOpsの原則を取り入れ、弊社の技術者と業務担当者、そして株式会社インフォディオのエキスパートの方々が何度も話し合って、システムの改善と業務プロセスの効率化を図りました。
この取り組みにより、現場のニーズが直接的にシステム開発に反映され、より効果的なDX化をスピーディーに実現できたのではないかと思います。寂しいですけどDXの推進に私のような年寄りが出る幕はないのです。
イノベーション推進室から見て今回のSmartOCRの導入の満足度はどの程度でしょうか
園木さん: 弊社のDX化はまだ始まったばかりと思っています。実は、今回のSmartOCRの導入について、当初は否定的な意見もありました。
しかし担当者たちが部門の垣根を超えて、勇気を持って改革の1歩を踏み出したことで、結果的には大きな成果を生み出すことができたと思います。
SmartOCRの導入は単なる紙ベースの文書をデジタル化する以上のものであり、データ処理の自動化を通じて新たなビジネスインサイトを得ることができたと思います。この技術革新は、業務効率化だけでなく、データ駆動型の意思決定を促進し、組織全体のアジリティと競争力を向上させる重要な一歩となりました。
私たちは段ボールメーカーではありますが「Think outside the box」の精神を持って、常識や所属する組織にとらわれず、新しい技術の採用や新しい方法論の導入に積極的に取り組んでいきたいと思います。
※インタビューの内容は取材時のものになります。
OCRの対象帳票
- 注文書