通帳の読み取り精度がほぼ100%。入力作業時間を1/3に短縮できた
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通帳の読み取り精度がほぼ100%。入力作業時間を1/3に短縮できた
Knees bee 税理士法人は、2011年に「大家さん専門税理士」として開業しました。代表の渡邊さんは実家が不動産貸付業を営んでいたことから、税理士と不動産貸付業、両方の視点で事業に取り組み、顧客の賃貸経営を成功に導いています。22年には税理士法人化して、「『誠実』・『思いやり』・『諦めない』信頼を得ることが私たちの誇り」という経営理念の下、税務だけでなく経営のアドバイスや事業計画までサポート。その信頼が顧客契約700以上、関与戸数9,900戸の実績につながりました。通帳の読み取りのためにスマートOCRを導入して4年。現在はさらなる業務効率化に向けて活用拡大を計画中です。
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- 課題
- 通帳内容の手入力をなくしたい
- 顧客サービスの均一化を図りたい
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- 解決策
- スマートOCRを導入(「預金通帳基本パック」を追加)
- スマートOCRのデータを分析に活用(今後)
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- 効果
- 入力時間が1/3に短縮
- 業務の属人化をなくし、
安定したクオリティーの提供
業務効率化にOCRは必須。理想のシステム構築のため要望を出し続けた
スマートOCRを導入したきっかけは何だったのでしょうか
渡邊さん:知人の紹介です。お客さまのために時間を割くには、入力作業などの事務処理時間を減らさなければと思っていました。 私たちは全国でも珍しい、大家さん専門の税理士法人です。社名にある「knees」には「膝」のほかに、「膝を突き合わせる、寄り添う」という意味があります。さらに「the bee’s knees」というイギリスのスラングには、「うってつけ、最高のもの」という意味があることを知り、社名に採用しました。
社名に込めた思いのとおり、私たちは日ごろから「その仕事はお客さまのためになっているか」をたびたび確認しています。このような行動方針から、OCRを導入して入力作業を効率化し、お客さまとの時間を増やしたいと考えたのです。
導入いただいたのは2021年ですね。当時のことを教えていただけますか
渡邊さん:当時は通帳の記載内容を読み取ることが目的でした。記載内容を分類して入力することはスキルが要るものの繰り返しの業務なので、OCRで効率化できると思ったのです。スマートOCRの通帳パックを使ってみると読み取り精度は60%くらい。半分近く修正が発生していました。入力担当者からは「全て手入力の方が早い」と言われてしまいました。
期待通りの精度でなかったにもかかわらず、使い続けてくださったのはなぜでしょうか
渡邊さん: 当時のOCRはどこも同じようなものだったんです。デジタル化や業務効率化にOCRは絶対に必要だと思っていました。私も自分でシステムを作るのですが、試行錯誤の中で「手作業の方が早い」と言われる段階を何度も経験していました。反対されても「必ず実現させる」と言い続けていたので、OCRも同様に、手間がかかっても使うんだという強い気持ちがありました。精度は上がるはずだと思い、諦めずに要望を出し続けたんです。
伊庭さん:私は渡邊とインフォディオの間に立ち、大変でした(笑)。専門用語に詳しくないので回答や説明を受けても理解できず、要望を伝えるのが精いっぱいで、やり取りに苦労しました。そのような期間が1年以上ありましたが、今は一部の特殊なフォーマットを除き、ほぼ100%の精度で読み取れます。
手入力だと1時間くらいかかっていた作業が20分ほどでできるようになり、1件当たり6~7ページの通帳が年間600件ほどあるので、大きな業務効率化になっています。
強いお気持ちのおかげで弊社のOCR技術も高められ、育てていただいたということになります。ありがとうございます。今は通帳以外にもご活用くださっていますね
渡邊さん: 今は読み取り精度が上がり、大変満足しています。1年ほど前から、賃貸住宅の家賃明細書や確定申告書などにも使い始めました。テンプレートは10種類ほどです。私たちのお客さまは99%大家さんで、扱う帳票の種類は限られています。自分でもさらに入力を楽にするシステムを作っている最中で、まだ先の話ですが、スマートOCRとの連携の可能性を探るべく、カスタマーサクセス部の担当の方に相談に乗ってもらっているところです。
OCR結果を分析してサービスの均一化につなげたい。業界のDX化に向けて人材育成も
今後スマートOCRの使い方が変わってくることもありそうですね
渡邊さん: 初めは入力を楽にしたいという発想でスマートOCRを導入しました。これからはDXに力を入れ、サービスを均一化するために使いたいと思っています。スマートOCRで読み取ったデータを生成AIなどで分析して活用したいのです。誰が対応しても同じクオリティーを出せるよう、システムやAIで担っていけたらという発想です。
取り組みを実現するために、スマートOCRへの要望などありますか
渡邊さん: 大家さんがそれぞれの帳票をスマホカメラなどで撮影して、直接アップロードできると便利だと思います。webカメラの機能*1がありますが、ログインしなくても外から送ってアップロードできたらと。
伊庭さん: 今はCSV出力したデータをエクセルに加工して使用しているので、加工せずに直接会計ソフトにインポートできるよう、出力形式が柔軟になるとありがたいです。
OCR処理前後の手軽さ、使いやすさの向上ということですね。ご要望に沿えるよう開発部と連携します。今後の展望を教えてください
渡邊さん: 業界の変革、でしょうか。実は税理士業界でDXに取り組んでいるところは少ないので、参考になればとYouTubeチャンネルを開設*2したり、コラムを書いたりしているんです。先日ある地方都市で、税理士事務所の方から「番組を見た。DX化の参考になった」と声をかけられました。
当法人では「お客さまの役に立ちたい」という志の人を採用しています。DXで業務効率化を図ったり、大家さんが能動的に不動産賃貸業を営めるようコンサル面でも支援したりしているので、税務にとどまらない税理士を育てて業界に貢献したいと思っています。これから全国の主要都市への展開を計画しています。
業界の発展にも大きく貢献されているのですね。スマートOCRだけでなく、弊社製品がその一助になれたらと思います。
※インタビューの内容は取材時のものになります。
*1 スマートOCRはログイン後のアップロード方法として、webカメラを起動して帳票を撮影しアップロードする方法がございます。また、自社webサイトなどにwebカメラを組み込み、外部からアップロードする製品「スマートパシャリDX」も提供しています。
*2 Knees bee税理士法人 公式YouTubeチャンネルはこちら
『大家さんの知恵袋』(登録者数1万2000人以上、動画数1300以上) http://www.youtube.com/@ohya-chie
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