月1000件のFAX注文書を自動入力。毎月約50時間の作業が3分の1に短縮できた
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注文書
月1000件のFAX注文書を自動入力。毎月約50時間の作業が3分の1に短縮できた

株式会社 ニイタカは1963年、界面活性剤関連製品の製造販売を行う会社として大阪市で設立されました。
経営理念「四者共栄」のもと、長期ビジョンである「世の中の”キレイ”を支える会社」を目指し、主にフードビジネス業界向けに業務用洗剤・洗浄剤、固形燃料などの製造・販売を行っています。
近年は衛生点検や清掃などサービスの提供のほか、農業や歯科などの新領域へ販路を拡大しています。札幌から福岡まで9つの営業所と2工場を持ち、2024年の連結売上高は227億円を誇ります。
取引先は支店を含め1万社以上。日々さまざまな通信手段で注文が届きます。毎月5~6万件ある受注のうち、4分の1ほどはFAXで届くため、この入力作業を効率化しようとスマートOCRを導入しました。
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- 課題
- FAXで届く注文書の手入力を効率化したい
- 顧客コードの自社コード変換をノーミスにしたい
- 読み込みからCSV出力までを手間をかけずに行いたい
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- 解決策
- スマートOCRで高精度の読み取りを実現
- マスター連携機能を活用
- スマートOCRローダーアプリを活用
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- 効果
- 熟練度による処理スピードの差が小さくなり、業務が平準化された
- 手入力によるミスがなくなり、心理的な負担も少なくなった
- 読み取りチェックと修正作業だけで済み、処理時間が3分の1になった
CSV出力まで対応できることが導入の条件。料金体系も重視
初めにお二人の部署の役割と導入の経緯を教えていただけますでしょうか
野田さん:私たち営業管理部は、主に受注と出荷を担当しています。
4000以上の品目を取り扱い、注文はEDIやCSVなどのデータと、FAXで届きます。1カ月の受注件数は平均して5~6万件になります。
注文の約4分の3はデータですが、残りの4分の1はFAXで届きます。FAXで届く注文は、全て手入力で基幹システムに登録していました。
データへの移行を進めてもFAXでの注文は一定数残ると考えられるため、手入力による作業負荷を軽減しようと、1年半ほど前、AI-OCR導入の検討を始めました。
どのように探したのでしょうか
野田さん:必要な機能が明確だったので、条件を満たす製品を探しました。
文字認識率の高さはもちろんのこと、お客さまごとにフォーマットが異なる“百社百様”の注文書に対応できること、
アップロードや読み取りに手間がかからないことが必要でした。
さらにお客さまの注文コードと自社のコードが異なるため、注文書に記載されているコードを自社コードに変換できることや、
読み取ったデータをCSVで出力できることなども条件でした。また、料金体系も重要な要素でした。
コード変換の機能は「マスター連携機能」で、自動アップロードとCSV出力は「スマートOCRローダーアプリ」で対応できますね
野田さん:そうです。条件に合いそうだと報告が上がってきたのは2社くらいでした。 どんなに文字認識率が高いAI-OCR製品でも、業務フローが複雑になったり、前後の処理がスムーズでなかったりすると導入は難しく、ずいぶん探したようです。 スマートOCRは条件を満たす上、最低利用期間が3カ月なので試験的に導入して、使いやすさや効率化の度合いを検証することにしました。
使ってみていかがでしたか
平田さん:最初にテンプレートの作り方を説明してもらい、テンプレートを作成できた取引先から使い始めました。
まずは入力作業がどうなるかを検証しました。
手入力に代わる部分となる、①帳票アップロード、②OCR後の読み取りをチェック、③CSVダウンロード──の手順を、実際の業務に組み込みました。
当初は、手入力に慣れているベテラン社員は、手入力の代わりにアップロードとダウンロードの操作が新たに発生するので、従来の方が早いと感じていたようです。
一方、手入力に慣れていない社員は、スマートOCRを使うと熟練度に影響されず一定の速さで処理ができるようになることが分かりました。
しばらく運用したところ、読み取り精度が安定し今後の効果も期待できたので、使用開始から5か月後に「スマートOCRローダーアプリ」を入れてもらいました。
アップロードとダウンロードが自動化されると、目に見えて効果を実感できるようになりました。
どのくらいの効果があったのでしょうか
平田さん:時間にすると、平均で3分の1ぐらいになったと思います。
注文の明細が多いほど効果は大きかったですね。
数字では表せない効果として、業務に携わる社員の心理的負担が減ったのも大きいです。
手入力の場合、入力担当者が自分で入力をチェックした後、別の人がダブルチェックをします。
ダブルチェックでミスが見つかると、入力担当者は責任を感じてしまいます。指摘する方も気を遣いますよね。
スマートOCRで処理すると、単純な入力ミスはなくなりますし、読み取りをチェックして修正するのがダブルチェックの役割となり、一人で担当できます。
工数も心理的な負担も減らせました。
野田さん:費用面では、OCRでの処理件数が増えると1件当たりの単価が下がるため、
当社ではおおむね月1000件がランニングコストの採算ラインとなり、試験導入からちょうど1年で到達することができました。
現在は14種類のテンプレートを使って処理していますが、ローダーで設定できるテンプレート数が増えたので、
今後はテンプレート数を気にしないで活用するように促していきたいと思います。

スマートOCRローダーで、ほぼ自動化成功。マスター連携で基幹システムでのエラーもゼロ
作業面、心理面の両方に貢献できてうれしいです。どのような業務の流れになりましたか
平田さん:まずFAXで届いた注文書を、RPAを使って専用フォルダに入れます。
スマートOCRローダーが一定間隔で専用フォルダをチェックし、自動でアップロードして内容を読み取ります。
担当者はそれぞれのタイミングで読み取りチェックし、確定ボタンを押します。
確定したデータはローダーで自動的にCSV出力されて、指定のフォルダに入り、そのフォルダを監視している基幹システムにインポートされます。
人が関わるのは、読み取りチェックの部分だけです。
使い勝手などについて、担当の方の感想はいかがでしょうか
平田さん:操作が簡単で、ITスキルや知識に自信がなくても扱えると好評です。
テンプレートもハンズオンレクチャー*1を受けて、
複数の担当者が作れるようになっていますし、1回作ればお客さまのフォーマットが変わらない限り使い続けられます。
読み取りは100%ではないので人の目を通すようにしていますが、チェックのタイミングを自分で決められるため、ほかの業務を中断せずに済みます。
また、CSVデータを基幹システムにインポートする際、エラーが出ると修正してやり直すのですが、
スマートOCRはCSV出力の前にチェックして正確なデータにしてから流し込めるので、エラーにはならず、この部分でも効率化されたと感じています。
ありがとうございます。気に入っている機能はありますか
平田さん:マスター連携ですね。お客さまのコードを自社のコードに変換する部分では、登録したコードを呼び出すため、
入力のチェックが不要です。マスター登録も、未登録のものがあれば読み取りチェックの時にその場で簡単に登録できるので使いやすいです。
野田さん:マスター連携が標準機能なのはいいですよね。アップロードとダウンロードが自動化できるスマートOCRローダーも高評価です。
スマートOCRは他の部署でも使えそうでしょうか
野田さん:データ化してCSV出力できるので、請求書を扱う部門での突合作業などにも使えそうだと思っています。
インフォディオへの要望などはありますか
野田さん:利用件数を増やすとそれに応じてスマートOCRを使用する担当者も増えていきます。
苦手意識を持たないよう、さらに読み取り精度を高めるとともに誰でも簡単にテンプレートを調整できるようにしてほしいです。
平田さん:人の見落としをカバーしてくれる機能があるとうれしいです。
注文書の余白に連絡事項が書いてある場合、重要なコメントかどうかを判別して、読み取りチェック時に注意喚起してくれるようになると助かります。
人の目をサポートする機能はいいですね。開発部に連携します。今後の目標を教えてください
野田さん:スマートOCRを利用した業務フローはほぼ完成したので、対応できる帳票を増やしていきたいです。 今はまだ対象の1割弱です。読み取りやすいフォーマットから対応しているため、徐々にテンプレート作成の難易度が上がっていくと思います。 難易度を機能でカバーしていただき、残りの9割も読み取れるようにして手入力ゼロにしたいです。
FAXでの受注を安心してスマートOCRに任せていただけるよう、弊社もさらに快適な操作性を目指して開発を進めてまいります
*1 ハンズオンレクチャー・・・スマートOCRの使い方について、ユーザーさま向けの共同レクチャーを定期的にweb開催しています
※インタビューの内容は取材時のものになります。
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